fc2ブログ
topimage

2024-03

小話「童謡」 - 2015.12.05 Sat

旅の道中。なんでもない日常会話がいつものごとく繰り出されている。
「オレ、あの歌好きだったなぁ。ほらすずめの…」
話題は「小さい頃聞いた歌」、いわゆる童謡になっていた。
「なんだっけ」
好きといいつつそれは駄目だろう。
「なんだよ、すすめの歌なんて五万とあるだろが」
五万と言うほどあるかは知らないが、カイルとともに幼少期を過ごしたロニも首をひねっていた。
リアラは幼少期それ自体がないし、ジューダスもそんな安穏とした子供時代は過ごしていないだろう。
ハロルドも出生時が天地戦争時代であったことを考えると、童謡に詳しいとは思えない。
「あっ!あれあれ。すずめの兄弟が でーんせんで♪ って」
ちょっと待て。
この世界の現在の文化水準のどこに電線がみかけられるというのか
シンの素朴な疑問は決して口に出してはいけない気がするので、黙っておくことにする。
「あたしは知らないね、どんな感じなんだい?」
「なんか夢がある歌だよ!大きくなったら、とかなんとか!」
ナナリーも知らないと言い、ロニも思い出せないようなので、視線は自然、残ったシンへと向かった。
「……すずめの兄弟が でーんせんで♪
大きくなったら なんになる♪
大きくなったら タカになる~
大きくなったら ペンギンに♪」
「それ!!!」
そのいかにも夢のある歌詞と、底抜けに明るいお子様向けのメロディにカイルが食いついた。
「思い出した。そのあとひたすら
チュンチュン チュンチュン♪
チュンチューン チュンチュン♪
とか言ってるやつか!」
「ふふ。なんだかカイルらしいわね」
それはつまり、すずめがタカになりたがるのが、カイルが英雄になりたがっていたことを指すのか、それともそのチュンチュンのリピートがそれっぽいのかは謎である。
ジューダスはなぜかひそかにため息などついている。
「へぇ、夢があるねぇ」
シンも、何度も聞いた覚えはないのに覚えていたあたり、嫌いではなかったと思う。その歌。

だーけーど   大ーきーくー なーっても

すずめは す ず め チュンチュン

という最後のフレーズは言わないことにした。


**
明日の京都旅行の準備しかけたら30分前に唐突に思いついたお話。
個人的に、夢のあるメロディに笑顔でとどめを刺してくれるフレーズが割と好きです(だから覚えてたんだろうなー。どこで聞いたかも覚えてないけど)。

(お知らせ)サイトの文字化けについて «  | BLOG TOP |  » 夏休みの宿題が間にあってない気分

最新記事

カテゴリ

夢日記 (1760)
TODでFF4 (23)
写真 (38)
テイルズオブミラージュ (55)
小話*裏話 (89)
バトン・質問etc (68)
リオンがらみ。 (16)
あとがき (69)
メッセ返信 (354)
オリジナル (33)
アクアリウム (34)
備忘録 (73)
作ってみた (73)
文庫化イベント(?) (19)
生きもの係 (23)
エッセイになりそうな (14)
おでかけとか。 (13)
イラスト練習 (23)

ツイッター

カウンター

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR