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2024-05

SS→ 殲滅する人 Act.2 - 2017.04.06 Thu

予告通り小石拾いしてたら、お題にUPした「殲滅する人」の続きみたいな話ができたので書いときます。
グロ注意(?)

* * *

「さて、今日はDRBの一角にあった菜園を整備する日です。別の人たちが整地したところの小石拾いをします。あ、DRBっていうのはダリルシェイド復興拠点のことだよ」
「誰に向かって話している?」
「どこかで電波を傍受してるシャルとどこかの誰かに向かって」
「……」

DRB=ダリルシェイド復興拠点=Reconstruction base


   殲滅する人 Act.2

というわけで、今日も今日とて、ボランティアのような作業日。
天気は曇天だが、まぁ外仕事にはいいだろう。
晴れると急に暑くなる、桜もちょうど満開の頃。
風が心地よい。
のだが。
「シン、何も両ひざを落とさなくてもいいだろう」
「片足立ちだと腰が痛くなりそうだからこれでいいの」
四つん這いに近い形でシンは小石を拾い集めている。
文字通り拾うと言うより、柔らかく耕された土をざかざかと両手でかきわけて大きな塊だけみつける集め方をしていた。
拾ったものは手近な場所にぽいぽいと放って山にしている。
それをあとから一輪車で回収して別の場所に捨てるのだ。
それなりに広い場所なので、ひとつひとつ拾ってどこかへ置きに行くよりは確かに効率が良い。
「リオン」
「なんだ」
「これどうしよう」
そう言われたので見ると、かき回された土の中から出てきた虫の姿が。
幼虫タイプなので、残しておくと植えたものがやられる手合いのものだろう。
「駆除しろ」
「えー」
「大体、いちいち聞かなくても、さっきそう言われただろ」
作業をしているのはリオンとシンだけではないので、害虫はみつけしだいついでに駆除が申し合わせ事項である。
「……」
シンは黙って土を深く掘ると虫を埋め……土を上から両手で強く圧した。
「それは絶対駆除できてないぞ」
「だって、ぷちって行きそうで嫌じゃない」
実際、ぷちっとやれという申し合わせなのだが。
「素手でやれとは言われてないし、手袋もしてるだろう」
「そういう問題じゃないの」
と石を探してざかざか土をかきわけるシン。
……また出てきた。
「……」
「ヤれ」
シンは無視して何を思ったのか、土の一部を平らにすると円を描くようにマーキングしてその真ん中に虫を放り込んだ。
「実はもう結構見てるんだけど、一回だけ潰しちゃったんだよね」
「やればできるんじゃないか」
不慮の事故的な話だが、敢えて褒める。
「それが土越しだったんだけど、ぷちっていうのがホント気持ち悪くて」
前回、マリアンは躊躇なく巨大な毛虫をぷちっていたが、思い出さないことにするリオン。
「やっぱり川だと思うんだ」
流す派のシン。


「待て、そこに集める気か? やめろ、ものすごく気持ち悪いだろう!」
数分後、離れていたシンがまたそこに何かを放り込んだのを見て、リオンはそれを見たことを後悔する羽目になる。
もうすでに結構集まってしまっていた。
「すでに気持ち悪いね」
シンもあまり考えないようにしていたようだが、リオンが話しかけたことで改めてそこを見て、心持ち青白い顔になっている。
「一匹ずつ見る分にはどうということはないのに……」
「だからその都度、やれと言っているだろう」
ため息をついてリオン。
問答無用で土を勢いよくかけて思いっきり踏みつけた。
無論、終始一緒に作業をしているわけではないので、そのまま違う方向に再びお互い手を進める。
だが、こんな作業でもやはり別々になったことを後悔することになる。
「ぎゃあぁぁ!」
作業もだいぶ進んだその頃。
ちょっと離れたところでものすごい悲鳴がした。
男の悲鳴だが、思わず振り返る一同。
「だ、誰ですか! こんなところに虫を集めたのは!!」
ひぃぃと言わんばかりの彼が前にしているのは、小石を運ぶための一輪車だ。
「あ~……」
シンが少しだけ気まずそうに視線を横に流した。
「またお前か」
「またって何。まだ今日は何もしてないでしょ?」
なんだその「まだ」と言うのは。
シンは眉を寄せたが、そういう問題ではない。
「あれはあとでまとめて川に流そうと思って放り込んでるの! さっきのとこより広いから分散してさっきより気持ち悪く見えない不思議」
それを見たがあいつは悲鳴を上げたが。
「急勾配で逃げられないから、合理的だ」
潰さないで処理をするというなら、理には適っているのがタチが悪い。
「さっさと捨てて来い!」
リオンが言うと、シンはなぜかしぶしぶという感じで一輪車のところへ行った。
そして……
黙ってそれをじっと見下ろし、しばし。
「数えるな」
らちが明かないと悟ったリオンは中を見ないようにして近づき、捨てるように指示をする。
近くの水路にまとめて捨てられた。
「地味に50匹くらいいた」
見ないようにしていたが、見てしまったリオンからすると、確かにシンの言う通りスペースが広いせいか、さほど目を逸らす惨状でもなかった。
そこに何があるのか、知っていてこその冷静な反応でもあろう。
「全員で集めたら何匹集まるんだろう……」
おぞましい想像にしかならないのだが。
「そこで収集癖を出すな」
「なんか違う種類のもいたから、ハロルドがいたら喜びそうだね」
ハロルドはなぜか虫が好きだったが、主に昆虫の類であり幼虫はどうかと言うと微妙なところだ。幼虫と言う時点で、昆虫の延長のようなものかもしれないが。
作業はそろそろ終わりそうだ。
一輪車は本来の役目に戻って、シンはおとなしく集めた小石を入れている。
「最初からそうやって使えばいいだろう」
「物を運ぶものだから、目的外使用ではないよ」
「だからそういう問題じゃない」
作業の際はお目付け役が必要だ。
決して危ない意味ではない。効率的な仕事の仕方はする。
だが、ある意味要注意人物であると改めて認識された、平和が訪れて久しいダリルシェイドでの出来事であった。


* * *


一か所に 集めてみたら グロかった(5.7.5)

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